「2019年 グローバル不動産投資戦略」の中間レポートを発表
報道各位
2019 年 8 月 8 日
ラサール不動産投資顧問株式会社
「2019 年グローバル不動産投資戦略」の中間レポートを発表
世界有数の不動産投資顧問会社であるラサール インベストメント マネージメント インク(本社:米国イリノ イ州シカゴ、最高経営責任者:ジェフ・ジェイコブソン、以下ラサール)は、主要 30 カ国における不動産投 資の展望「2019 年グローバル不動産投資戦略」の中間レポートを発表しました。「グローバル不動産投資 戦略」は主要 30 カ国における不動産投資を毎年展望し、例年 2~3 月に年初時点、7~8 月に年央時 点の展望を世界の投資家にお伝えしています。以下、その概要をお知らせいたします。
Ⅰ. グローバルでの投資展望と推奨投資
投資展望
新たな金融危機や世界的景気後退はラサールのベースシナリオには入っていません。ただし、リスクとして、G8 諸国の不動産ポートフォリオへの投資および運用に際して、世界経済の低迷と不動産市
場におけるクロスボーダー取引の急激な減少を挙げています。
推奨投資
ラサールでは引き続き、投資家に対し「低ベータ」戦略と「アルファ追求」戦略の双方を追求することを推奨します。「低ベータ」戦略では、資本市場のボラティリティが上昇し、世界的な成長が鈍化する局面で不動産が生む安定インカムによって投資ポートフォリオのリターンを安定化させます。「アルファ追求」戦略は、多くの国で着実に減少を続けるコア不動産のリターンが比較的低水準に留まる中で、より高いリターンが期待できる投資を特定の不動産セクターで求める戦略です。
Ⅱ. 地域別投資展望
【アジア太平洋地域】
アジア太平洋地域は 6 ヶ月前に予想されていたよりも経済成長が鈍化し、資本市場のボラティリティが上昇する見込みです。ただし、我々はベースシナリオにおいて、深刻な景気後退を予測していません。景気後退が起こったとしても、不動産セクターにおいては一般的に、世界金融危機で経験したよりも負債比率が低く、資本は依然として潤沢にあるため、主要市場の資本価値低下は、世界金融危機の時ほど深刻ではないと予想されます。我々のベースシナリオにおいて、ほとんどの不動産投資家は投資を続けますが、規律をもった、よりペースの遅い投資となるでしょう。貿易上の懸念が存在するにもかかわらず、アジア太平洋諸国の主要な労働市場は健全です。特に、中国、香港、日本の失業率は、現在、歴史的な低水準にあります。日本は相対的に成長が鈍化しているにも関わらず、他のアジア太平洋諸国よりも回復力が高いと見られます。これが、ラサールが日本を支持し続ける大きな理由の一つです。
【北米】
2019 年下半期は上半期と似た市場動向となることを予測しています。米国とカナダの不動産市場に大きな変化の予兆はなく、安定的な投資環境が継続するでしょう。一方で、現時点では、米中間の対立関係は変わらず、楽観的な見方は限定的です。減税による追い風が弱まり始めるにつれ、貿易と政策の不確実性に伴うマイナスの影響は、経済成長に大きなインパクトを与える可能性があります。2020 年に景気後退があったとしても、単に成長が抑えられ、低金利、低インフレ、緩やかな経済成長によりゴルディロックス(適温)な状況が続くと予想しています。 カナダにおいては、雇用の伸びが、下がりつつある GDP を相殺する要素、および不動産需要を牽 引する主たる要素として機能し、移民の増加と強力なテクノロジー分野の拡大に促され、カナダの失 業率を 5.7%と 45 年ぶりの低水準に押し下げています。 GDP 成長が減速しても我々の投資見通しに変わりはなく、雇用の増大は依然として堅調であり、ま た物件の新規供給は抑制的であると見ています。GDP は 2020 年以降に過去平均水準まで回復する と予想されます。カナダの移民政策である「経済」カテゴリーに属する、教育を受け高度な技術を有す る移民が、技術系職種の成長に大きな役割を果たしています。カナダの移民政策においては、2020 年以降も高い移民割合が目標となっていることから、この傾向は続くと見られます。
【欧州】
英国については、大きな政治的混乱が起きているにもかかわらず、経済は多くのマクロ指標におい て著しく安定していました。2019 年上半期には、粘り強くも力不足、かつ大部分の支持を失った首相 との間に一連の歴史的対立が起こり、最終的にはテレサ・メイ氏、およびその内閣の一部の閣僚が辞 任しました。ブレグジットの当初の期限(2019 年 3 月)は 4 月に延長され、その後再び 10 月末に延長 されています。テレサ・メイは、辞任を求める声に屈し、次の期限までに残された時間で、新しいリーダ ーを選び、声高に主張しない EU と再び交渉することになります。この状況下では 10 月以降にずれ込 むことはほぼ避けられないと見られ、「ロングハードブレグジット」の可能性が最も高いと考えられます。 長い時間をかけることで強硬な影響は希薄になります。
大陸欧州については、2019 年および 2020 年上半期まで経済は低成長が続き、その後小さく回復 すると見られます。この地域のベースシナリオは、長い時間をかけ、かつ秩序ある手法によるハードブ レグジットを前提とし、かつ米中貿易戦争が宥和までにある程度エスカレートするとの見方に基づいて います。オフィス需要の伸びを通じて堅調な雇用の成長が見込まれ、それによる堅調な賃金の上昇 が、家計支出(物流と選択的な小売)を下支えすると見られます。
ラサール インベストメント マネージメントについて
ラサール インベストメント マネージメントは、世界有数の不動産投資顧問会社です。世界規模で、私募、公募の不動産投 資活動、負債性投資をしており、総運用資産残高は約 684 億米ドルです(2019 年 6 月末現在)。主要顧客は、世界の公 的年金基金、企業年金基金、保険会社、政府関連、企業、その他基金(大学基金他)などで、世界中の機関や個人投資 家の資金管理を行い、セパレートアカウント型投資、オープンエンド型ファンド、クローズドエンド型ファンド、公募証券、エ ンティティレベル投資等の手法で投資を行っています。また、世界最大級の総合不動産サービス企業であるジョーンズ ラ ング ラサール グループ(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)傘下にあります。なお、ラサール不動産投資顧問株式会社 は、ラサール インベストメント マネージメントの日本法人です。詳しい情報は、www.lasalle.com をご覧ください。
本件に関するお問い合わせ先
広報担当(エイレックス) 村瀬亜以 電話 03-3560-1289 メール lasalle@arex-corp.com